九州には旧帝国大学、旧六医科大学、新制八医科大学、新設医学部の全てが揃っている(しかも旧6が2つもある)。福岡を除いてそこまで都会でないにも関わらず、ここまでバラエティに富んでいるのはすごいことである。
それに加えて九州に目立つ大企業がない事から、九州の優秀層の医学部志向の強さは全国的に見てもトップクラスの強さであり、医学部の格を意識する人がかなり多い。
このように九州では医学部の序列がはっきりしており、当然九大は別格である。特に新設医の教授陣はほとんど九大卒で埋め尽くされており、教授への道を考えるなら九大が有利なのは言うまでもない。ただ、熊本と長崎は旧6で伝統校のため自大出身である程度確保している。また2大学とも自県の関連病院を抑えており、九大の下僕になっていない。熊大と長崎なら、九州人の感覚では研究等の成果や旧制五高時代からの歴史、また立地も相まって、熊大の方がやや上とされている(ただし大学令により正式に大学に昇格したのは長崎が先である)。
ちなみに私立大の久留米と福大は蚊帳の外である。ただ久留米は旧設で多くの開業医を送り出してきたため、福岡で開業医になるなら国立より良いかもしれない。北九州にある産業医大も産業医育成の特殊な大学であり、ランキングに入れるには無理がある(ただ九州人は国立に落ちた場合は、国立後期日程と産医の2次試験日が同じため、産医を受験する場合も多い)
参考:https://www.youtube.com/watch?v=hE-_sLFXl2U
九州には久留米大附設、ラ・サール、青雲という全国的に有名な超一流進学校があり、この3つは九州御三家と呼ばれる。特に久留米附設は九大に20人以上進学し、毎年一大勢力を築いている。ラ・サールも以前に比べると勢いが落ちたが、相変わらず九大・鹿児島への進学者は多い。
旧帝・旧6が多いため、当然立地が良い所が多い。九大・長崎大・熊大はどれも市街地にある。鹿児島は市街地の中心からはやや外れるが、一応市内からも良いアクセスである。
新設の佐賀・宮崎・大分は市街地から離れていて、宮崎は特に辺鄙な場所である(全国ワーストだと思う)。
格については上で述べた通りだが、難易度に関しては九大を除いて各大学でそこまで変わらない(佐賀と宮崎はやや落ちるが)。九州No.2の熊本も難易度は国立医中堅レベルで収まる。そう考えると熊本は難易度の割にお買い得な大学と言えるのではないだろうか?基礎研究面でもかなり強い。あと想像以上に熊本市は都会である。
基本的に伝統校ほど再受験・多浪に寛容であり、九州の医学部は旧帝・旧6が多いため、まさにそれに該当する。特に熊本は新潟と並んで全国の再受験・多浪生が候補に入れる大学である。同じ旧6の長崎は、今までは熊本と並んで高齢受験生の巣窟的存在だったが、2021年度から調査書を点数化するようになったため、今後は熊本に高齢受験生の人気が一極集中する可能性が高い。ただし、2021年度は上記の理由で熊本が地雷になると踏んだ現役・1浪生が長崎に大挙したため、逆に長崎が地雷になってしまった。
九大も寛容だが如何せん入試難易度が高いので候補に入れる人が少ない。
逆に再受験・多浪に厳しいのは宮崎と佐賀であろう。特に佐賀は情報が少ない。余程の理由がない限りこの2大学は避けた方が無難だと思われる。
基本的に長崎が倍率上がれば熊本が下がり、長崎が倍率下がれば熊本が上がって地雷化する。この2大学は同じ旧6でレベルも似ているため、例年倍率面でシーソーの関係になる。上述した2021年度入試に於いても当てはまるだろう。どちらも穴場になることはないし、どちらも地雷になることもない。
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